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電力技術委員会は、発電,送変電および配電技術に関する研究調査活動をその役割としています。 近年では変電,架空送電,地中送電,電力用パワーエレクトロニクス応用,水力発電, 配電の6つの技術分野に重点を置き,時宜を得たトピックに関する調査専門委員会を設置し, 広く内外の技術動向の調査活動を行っています。調査結果は電気学会技術報告としてとりまとめるとともに 講習会・セミナー・シンポジウム等を通じて、電力技術に関わる技術者、研究者に対して有益な情報を提供しています。 また、年2回程度の研究会を開催することにより、研究成果・技術開発成果の発表および討論の場を設け、 会員の研究活動の活性化に寄与しております。 H8年度以降電力系統技術委員会と合同で開催している研究会は,毎回100件を超す論文発表, 300名以上の参加を得て盛大に行われています。 H14年まではテーマ名「電力系統の解析・計画・運用・制御」として開催しておりましたが, 今年は昨年と同様に「分散型電源・配電」「電力自由化」「電力技術・電力系統技術一般」 の3テーマ同時開催とし,多数の発表申込みを得ております。 |
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分野 |
調査専門委員会 |
委員長 |
活動期間 |
技術報告書 |
調査内容 |
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地中送電技術 |
ケーブルの高温性能に関する技術 |
佐々木立雄 |
H10.1 〜 H12.12 |
OFケーブルおよびCVケーブルにおける高温性能とその支配要因 (第 858号) |
高温での絶縁油や絶縁紙の電気特性,金属被の熱機械特性などOFケーブルにおける高温性能の調査 ・高温での架橋ポリエチレンの電気特性や水トリー特性,接続部を含むケーブルシステムとしての熱機械特性など CVケーブルにおける高温性能の調査 |
CVケーブル水トリーの例 |
特別高圧CVケーブル絶縁診断技術 |
唐崎 隆史 |
H6.4 〜 H9.5 |
特別高圧CVケーブル絶縁劣化形態と 絶縁診断技術の動向(第 668号) |
水トリーの特性などCVケーブルの絶縁性能についての 文献調査・CVケーブル撤去調査によって得られた各種データの相関関係分析・ 撤去ケーブルを用いた各種絶縁診断手法の比較評価 |
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架空送電技術 |
架空送電線路のコロナ・風音対策技術 |
小門俊次 |
H14.6 〜 H16.5 |
架空送電線路のコロナ・風音対策技術(作成中) |
コロナ・風音に関するメカニズムを明らかにするとともに, 国内外で採用されている最新の騒音の調査・予測計算・対策方法について調査を実施 |
ギャロッピング発生時の電線リサージュ(左)と時刻歴応答波形(右) |
架空送電線のギャロッピング現象解析技術 |
臼田 修 |
H10.1 〜H12.12 |
架空送電線のギャロッピング現象解析技術 (第 844号) |
ギャロッピング事故発生状況, ギャロッピング事故防止対策等についての調査ならびに動的解析手法 ( CAFSS) を用いたギャロッピングシミュレーションの実施と解析結果の評価 ※H15年技術報告賞受賞 |
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確率論的電流容量決定手法 |
村澤 泉 |
H7.1 〜 H8.12 |
架空送電線の電流容量 (第 660号) |
電流容量計算手法において,熱放散に関し CIGRE 式の採用を推奨。気象,系統運用等の分布を考慮した 確立論的電流容量決定手法を用い機械的強度低下率の推定を実施。 |
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電力用パワーエレクトロニクス技術 |
パワーエレクトロニクス機器の制御技術 |
木村 紀之 |
H16.9 〜 H18.8 |
H18 発刊予定(調査活動中) |
パワーエレクトロニクス機器について, 系統制御,システム制御,変換器制御などの観点から調査し,技術の現状と動向を体系的に整理する。 また分散型電源や電力貯蔵用の交直変換装置などにおける制御技術についても調査を行う。 |
図1 世界初の自励式直流3端子実証試験設備図2 世界最大のGTO (6kV-6kA, 6inch) |
電力品質調整用パワーエレクトロニクス応用機器適用技術 |
小門俊次 (関西電力) |
H14.4 〜 H16.3 |
電力品質調整用パワーエレクトロニクスの適用動向(作成中) |
パワーエレクトロニクスを応用した電圧変動・フリッカ対策、 瞬低・停電対策、電圧不平衡対策、高調波対策、周波数変動対策などの電力品質調整用機器について の適用ガイダンス作成を目指した、技術動向、適用状況などの調査を実施 |
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自励式変換器の電力系統への適用技術 |
酒井祐之 |
H11.4 〜 H14.3 |
自励式変換器の電力系統への適用技術(第 919 号) |
自己消弧型デバイスならびに電力系統に適用される自励式交直変換器( STATCOM, BTB, 自励式直流送電 , PCS など)について調査。 |
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高電圧サイリスタバルブの試験法 |
堀内 進 |
H8.6 〜 H11.3 |
高電圧サイリスタバルブの試験法(第 735 号) |
直流送電に使用する光直接点弧高電圧サイリスタバルブの 各種電気ストレス,試験法および試験回路などについて調査。 |
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交直連系系統の相互作用 |
堀内 進 |
H5.6 〜 H8.5 |
交直連系系統の相互作用(第 628 号) |
直流系統と交流系統との相互作用 (交流系統の電圧変動,軸ねじれ振動,高調波不安定など)とその対策を調査。 |
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変電技術 |
変電設備保全へのIT適用 |
中村尚義 |
H15.5 〜 H17.4 |
H17 発刊予定(調査活動中) |
状態監視保全(CBM)や予測保全などのより 効率的かつ高度な設備保全を支援するためのセンシング技術,データ解析・可視化・情報伝送等へのIT活用, ならびにこれらを実フィールド適用する際に講じられているEMC対策などの最新の技術動向の調査を実施。 |
変電機器監視システム |
複合がい管・がいし技術現状 |
小林俊一 |
H11.1 〜 H12.12 |
複合がい管・がいし技術の現状(第 857号) |
複合がい管・がいしは軽量・優れた汚損性能有することから, 各国で研究調査が進められていることから,主に電力設備に適用する複合がい管・がいしについての 国内外での技術動向や適用動向についてまとめた。 |
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変電機器に要求される各種責務 |
小林俊一 |
H5.6 〜 H7.5 |
変電機器に要求される各種責務の調査報告(第 618号) |
我が国の電力系統の特徴や変電機器の使用環境を背景とした, 変電機器が具備すべき責務事項の整理,系統構成・機器使用条件における特異な責務の現状と問題点, 各種責務の将来動向の考察について検討し体系的な整理を行った。 |
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水力発電技術 |
水車の劣化診断方法と対策に関する |
牧野正廸 |
H15.4 〜 H17.3 |
H17 発刊予定(調査活動中) |
水車の劣化や欠陥の事例と、それらの診断方法を調査して、 水車部品の劣化診断方法および劣化判断指標の明確化を図る。また、 最新の延命化対策および外部診断技術の動向を調査して、今後の保守の資とする。 |
発電機・発電電動機 高速度大容量化の推移 |
水力発電主要機器に対する国内外適用規格・使用に関する |
和田文雄 |
H11.10 〜 H14.9 |
水力発電主要機器の国内外適用規格に関する調査報告(第 936 号) |
水力発電設備の輸出・調達時の適用規格に関する留意点を明らかにすべく、 それに係わる国内外主要規格の相違点とその背景,影響を調査 |
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水力発電機器高度監視システム |
池田 孝蔵 |
H8.12 〜 H10.11 |
水力発電機器高度監視システムに関する調査報告 (第 758号) |
水力発電所の監視システムの歴史と高度監視システムの実態調査および今後のニーズ, 考え方,高度化の必要性,期待するレベルなどを調査 |
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中小水力発電所の新技術適用 |
野上 昭博 |
H6.4 〜 H8.3 |
中小水力発電所の新技術適用に関する調査報告 (第 605号) |
中小水力発電所に開発・適用されてきた各種新技術を 客観的に評価することによってメーカー,ユーザー双方の共通の尺度を提供する調査 |
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配電技術 |
配電業務への IT適用 |
上野 寿伸 |
H16.6 〜 H18.5 |
H18 発刊予定(調査活動中) |
配電分野におけるIT技術活用について,最近の技術動向等の調査 ・体系的取りまとめを行った上,関連技術開発の方向性を明らかにして配電業務の高度化・効率化に寄与する |
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直流配電網フィージビリティ |
柳父 悟 |
H15.1 〜 H16.12 |
H17 発刊予定(調査活動中) |
分散電源の導入や品質別電力供給などで注目され始めている直流給配電について、技術動向、 関連する新材料,導入に当たっての技術課題,導入の効果と将来展望について調査を行っている。 |
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配電設備劣化予知・診断技術 |
村田 光一 |
H4.10 〜 H6.9 |
配電設備劣化診断技術の動向(第 555 号) |
過去
10 年間の電力技術研究会
年度 |
電力技術研究会(参加者,論文数) |
年度 |
電力技術・電力系統技術合同研究会(参加者,論文数) |
H15 |
「電力系統用パワーエレクトロニクス技術」@関西電力神戸支店( 40 名、 8 件) |
H16 |
「電力技術・電力系統技術一般」「分散型電源・配電」「電力自由化」 |
〃 |
「直流送配電技術」@産総研臨海副都心センター( 5件) |
H15 |
「電力技術・電力系統技術一般」「分散型電源」「電力自由化」 |
H13 |
「電力系統用交直変換器技術一般」 @中国電力本店( 80 名, 12 件) |
H14 |
「電力系統の解析・計画・運用・制御」@北海道工業大学( 351 名, 166 件) |
H12 |
「架空送電線のギャロッピング現象」 @関西電力総研( 80 名, 6 件) |
H13 |
「 同上 」@京都大学 ( 310 名, 159 件) |
H11 |
「最近の変電技術動向」 @東京電力技研( 70 名, 7 件) |
H12 |
「 同上 」@広島大学 ( 300 名, 141 件) |
H10 |
「電力用パワーエレクトロニクス装置」@電中研狛江研 (120 名, 16 件 ) |
H11 |
「 同上 」@茨城大学 ( 300 名, 158 件) |
H7 |
「電力系統の解析・計画・運用・制御」@熊本大学( 186 件) |
H10 |
「 同上 」@名古屋大学( 400 名, 174 件) |
H6 |
「 同上 」@秋田大学( 166 件) |
H9 |
「 同上 」@神戸大学 ( 400 名, 176 件) |
H5 |
「 同上 」@東北大学( 182 件) |
H8 |
「 同上 」@東京都立大学( 300 名, 139 件) |
※合同研究会は H8 年より開催。 |